どんなに厳重な対策を講じていても、介護施設での離設の問題を完全にゼロにすることは非常に難しいものです。
万が一、入居者の離設が発生してしまった場合、被害を最小限に食い止めるためには、施設側の「迅速な初動対応」が何よりも重要となります。
離設が発覚した際、最初に行うべきは施設内の徹底的な捜索です。外に出たと思い込んでいても、実際には他のフロアや死角になる空き部屋、トイレなどに隠れているケースも少なくありません。同時に、発見時刻や最後に目撃された時の服装、履物、持ち物などの情報をスタッフ全員で共有し、捜索範囲を絞り込みます。
施設内やまわりの敷地を捜索しても発見できない場合は、ためらうことなく警察へ通報し、ご家族へも速やかに状況を連絡しなければなりません。「もう少し探せば見つかるかもしれない」という根拠のない過信や通報の遅れは、命に関わる最悪の事態を招く恐れがあります。ためらいを捨て、早期に外部の協力を仰ぐことが鉄則です。
こうした緊急時にパニックにならず冷静に行動するためには、平時からの備えが不可欠です。誰がどこを探すのか、誰が連絡係を担うのかを明確にした対応マニュアルを整備し、定期的に離設を想定したシミュレーション訓練を実施しておく必要があります。一分一秒を争う事態だからこそ、日頃からの訓練の積み重ねが、高齢者の尊い命を救うための決定的な鍵となるのです。発生時の対応についてためになるサイト『介護施設で深刻化する「離設」問題とは?』